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00:00:00,0 –> 00:00:02,335
こんにちは、みくちゃんねるです。
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00:00:02,335 –> 00:00:10,276
今回は、Snapdragon Xを搭載したWindowsパソコンを
買うのはまだ早いと言える理由について解説していきます。
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00:00:10,276 –> 00:00:22,155
私自身は、Snapdragon XのようなARMアーキテクチャの
Windowsパソコンがもっと成長していって欲しいと考えて
いますが、現時点では、残念ながらあまりおすすめできません。
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00:00:22,155 –> 00:00:34,0
この動画では、Snapdragon X搭載パソコンの概要と、
まだ購入すべきではない理由、そして今買うべき
パソコンはどういったものなのかの3点について話していきます。
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00:00:34,0 –> 00:00:38,972
まずはSnapdragon X搭載パソコンの概要について
簡単に説明します。
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00:00:38,972 –> 00:00:46,479
Snapdragon X搭載パソコンとは、Qualcommが展開する
パソコン向けのプロセッサを搭載したパソコンを指します。
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00:00:46,479 –> 00:00:56,22
Qualcommは主にスマートフォンやタブレット向けのチップを
製造しているメーカーですが、ノートパソコン向けのチップにも
本格的に足を踏み入れてきました。
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00:00:56,22 –> 00:01:06,599
Snapdragon Xを搭載したパソコンは、Windows
パソコンの中でも、AI対応パソコンの製品カテゴリー、
Copilot+PCに属します。
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00:01:06,599 –> 00:01:16,443
AI対応パソコンには、Snapdragon Xの他に、Intelの
Core Ultra、AMDのRyzen AIを搭載したパソコンも
存在します。
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00:01:16,443 –> 00:01:26,353
これまでのWindowsパソコンといえば、IntelかAMDかの
2択でしたが、Qualcommの参入によってAIへの対応が
一気に加速したように思います。
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00:01:26,353 –> 00:01:32,592
これまでのIntelとAMDのプロセッサと、
Qualcommのプロセッサには表のような違いがあります。
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00:01:32,592 –> 00:01:36,663
一番大きいのはアーキテクチャ、設計思想の違いです。
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00:01:36,663 –> 00:01:43,470
IntelとAMDはx86というアーキテクチャを
使っているのに対して、QualcommはARMとなっています。
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00:01:43,470 –> 00:01:52,278
ARMはx86と比べると低消費電力である一方で、
Windows向けのアプリケーションには最適化されていない
という特徴があります。
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00:01:52,278 –> 00:02:02,188
そのため、x86のWindowsアプリケーションを実行する
際には、エミュレートが必要になることから、
少なからずオーバーヘッドが生まれます。
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00:02:02,188 –> 00:02:07,660
一方、AI処理のためのNPUの性能はQualcommが
一歩リードしています。
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00:02:07,660 –> 00:02:17,404
また、IntelとAMDがDirectX 12 Ultimateに
対応している一方で、QualcommはDirectX 12への
対応に留まっています。
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00:02:17,404 –> 00:02:24,110
そのため、ゲームに関しては、IntelとAMDのほうが
レイトレーシングへの対応などで有利です。
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00:02:24,110 –> 00:02:28,848
他にも違いはありますが、代表的な差としては
このあたりになります。
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00:02:28,848 –> 00:02:33,687
早速ですが、まだ購入すべきではない理由の結論から
お伝えします。
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00:02:33,687 –> 00:02:41,127
それは、価格と明確な強みの無さ、
そしてARM版Windowsの将来性の不透明さの3点です。
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00:02:41,127 –> 00:02:43,29
1つずつ説明していきます。
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00:02:43,29 –> 00:02:45,498
1つ目の価格についてはシンプルです。
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00:02:45,498 –> 00:02:51,538
今のところ、Snapdragon Xを搭載したパソコンは
安くても20万円ほどとなっています。
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00:02:51,538 –> 00:03:03,416
性能面ではIntelやAMDのハイエンドノートパソコン向け
チップと並ぶか、消費電力を考慮するとそれらを凌ぐ
性能を持っているとはいえ、手軽に手を出しにくい価格帯です。
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00:03:03,416 –> 00:03:14,427
2つ目は、現時点で、IntelやAMDと比べて明確な強み、
つまりSnapdragon Xを搭載していないと出来ないことが
少ないという理由です。
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00:03:14,427 –> 00:03:24,337
Snapdragon Xを搭載したパソコンは、マイクロソフトから
Copilot+PCとして扱われ、それによって専用の機能が
提供されます。
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00:03:24,337 –> 00:03:32,278
有名なものとしては、
手書きイラストから画像を生成出来るCocreator、
曖昧検索のRecall機能があげられます。
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00:03:32,278 –> 00:03:40,754
ただ、画像の生成AIに関してはクラウドのサービスで
代替できますし、Recall機能に関してはまだ
始まってもいません。
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00:03:40,754 –> 00:03:49,662
ローカルで処理出来るので高速とも言われていますが、
45TOPSという性能が果たして困らないレベルの
性能なのかというのも疑問です。
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00:03:49,662 –> 00:03:58,304
クラウドのAIであれば日進月歩で性能の向上が期待
できますが、ローカルとなると物理的な性能向上は難しいです。
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00:03:58,304 –> 00:04:02,242
パソコンは進化が早いのでほしい時が買い時というのはあります。
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00:04:02,242 –> 00:04:07,781
しかし、そもそも既存のGPUは45TOPSという性能を
凌駕しています。
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00:04:07,781 –> 00:04:25,265
NPUとGPUを同列で考えるのはあまり適切ではないとは
思いますが、既存のGPUが桁違いの性能を出せることを
考えると、使える機能が少ない現時点においては、急いで
Snapdragon X搭載パソコンを選ぶ必要は無いと考えます。
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00:04:25,265 –> 00:04:29,369
3つ目は、ARM版Windowsの将来性の不透明さです。
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00:04:29,369 –> 00:04:33,907
前で説明したように、Snapdragon Xは
ARMアーキテクチャです。
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00:04:33,907 –> 00:04:41,915
すでに存在している多くのWindowsアプリケーションを
動かすにはエミュレートが必要で、
実行の度にオーバーヘッドが発生します。
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00:04:41,915 –> 00:04:48,488
また、エミュレートはすべてのアプリケーションが
正常に動くとは限らないという点にも注意が必要です。
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00:04:48,488 –> 00:04:58,431
マイクロソフトやAdobeなどの大手企業は、ARM版への
ネイティブ対応を進めていますが、他の企業が追随するのかが
とても大きな不安要素です。
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00:04:58,431 –> 00:05:03,970
今後登場するアプリケーションも、
良くてx86とARM版の同時リリース、
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00:05:03,970 –> 00:05:12,712
基本的には、まずはx86版が登場して、その後、
需要に応じてARM版も出すという流れになると予想します。
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00:05:12,712 –> 00:05:26,259
ARMへのネイティブ対応がどれほど大変なものなのかが
分からないですが、Windowsにあってmacに無い
アプリケーションは移行が難しいものと考えると、
PCゲームの多くは難しいのではないかとも思います。
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00:05:26,259 –> 00:05:33,299
このような状態なので、現時点ではIntelとAMDを
差し置いてでも使うというメリットは少ないと思います。
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00:05:33,299 –> 00:05:39,739
Appleは、ARMアーキテクチャのM1チップの採用によって、
性能が大きく飛躍しました。
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00:05:39,739 –> 00:05:51,885
WindowsもARMアーキテクチャへ移行できれば、
同様の変化が起こると思うのでぜひ実現してほしいですが、
Windowsのネックは約70%という圧倒的なシェアにあると
考えます。
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00:05:51,885 –> 00:06:02,28
大企業ほどWindowsへの依存度はさらに高くなっていると
想像できますし、そのような企業からすれば、
やらなくてもいいARM対応は後回しになるでしょう。
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00:06:02,28 –> 00:06:09,402
また、エミュレートが優秀とはいえ、動くか動かないか
分からないものにわざわざ進んで手を出すとは思えません。
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00:06:09,402 –> 00:06:15,75
ARM版Windowsが上手くいったとしても、
移行には相当な期間を要すると考えます。
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00:06:15,75 –> 00:06:27,821
以上の3つの理由から、今、新しいWindowsパソコンを
買うのであれば、IntelのCore UltraかAMDの
Ryzen AIシリーズのCPUを搭載したパソコンの
ほうが良いと考えています。
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00:06:27,821 –> 00:06:38,465
こちらであれば価格も10万円程度からあることと、
最低限のNPUが搭載されているのに加えて、
必要であればクラウドのAIサービスも利用可能です。
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00:06:38,465 –> 00:06:42,235
もちろんx86のアプリケーションがネイティブで動作します。
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00:06:42,235 –> 00:06:52,278
実際、私はIntel Core Ultraシリーズを搭載した
パソコンを使っていますが、現状、NPUが動いたところを
ほとんど見たことがありません。
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00:06:52,278 –> 00:06:57,117
実際に確認できたのはビデオの背景ぼかし機能を
試してみたときくらいです。
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00:06:57,117 –> 00:07:08,995
ローカルAIを使うアプリケーションをあまり使わないというのも
ありますが、画像生成AIであるStable Diffusionを
使う場合でも、現状ではNPUではなくCPUで処理されます。
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00:07:08,995 –> 00:07:16,202
つまり、AI特化のアプリでさえも、NPUを搭載した
パソコン向けに作られていないということです。
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00:07:16,202 –> 00:07:18,672
現状ではそのような場合が大半です。
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00:07:18,672 –> 00:07:28,148
さらに恐ろしいのは、IntelやAMDのx86の
プロセッサがARM版の性能と大差無い性能を出すか、
追い抜いてしまった場合です。
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00:07:28,148 –> 00:07:38,358
そうなると、ARMでなくてもいいという流れが出来てしまい、
これまで何度か始まっては沈んでいったARM版
Windowsと同じ運命を辿る可能性もあります。
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00:07:38,358 –> 00:07:48,802
Snapdragon Xを搭載したパソコンは
バッテリー持ちがいいとも言われますが、そもそも、
IntelもAMDも消費電力の削減に力を入れてきています。
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00:07:48,802 –> 00:07:54,507
Intel Core Ultra搭載パソコンと比べると、
そこまで大きな差は無いという印象です。
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00:07:54,507 –> 00:08:04,984
Snapdragon Xを搭載しているYoga Slim 7x Gen9と、
Intel Core Ultraを搭載している
ThinkPad X1 Carbon Gen12を比較してみました。
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00:08:04,984 –> 00:08:12,559
確かにSnapdragon Xを搭載している方が
持続時間が長いのですが、同時にバッテリー容量も大きいです。
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00:08:12,559 –> 00:08:19,466
使い方次第ではあると思いますが、同じバッテリー容量の
場合は、同じくらいではないかと思います。
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00:08:19,466 –> 00:08:25,939
このことから、Snapdragon Xを搭載したパソコンを
購入することは時期尚早だと考えます。
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00:08:25,939 –> 00:08:34,948
すでにSnapdragon Xシリーズを使っている方は、
参考にしたいので使い心地など、ぜひコメントで
教えていただけると嬉しいです。
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00:08:34,948 –> 00:08:40,387
以上が、Snapdragon X搭載パソコンの購入は
まだ早いというお話でした。
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いかがでしたでしょうか。
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このチャンネルでは、パソコンやガジェット関連のレビュー、
解説動画を中心に投稿しています。
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パソコンやガジェット関連に興味のある方は、
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